2023.07.03
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クリニックでの現金管理はどのようにすれば?トラブル対策も

(最終更新日:2024.04.18)

現金計算する人

クリニック運営において、現金管理は切っても切り離せない問題です。クリニックの窓口では、現金の入出金が発生するため、トラブルが特に起きやすい箇所でもあります。
一方で、適切な管理方法を知っていれば、さまざまなトラブルを回避しやすくなるといえるでしょう。
この記事では、クリニックでの現金管理の方法について、現金管理が大切な理由や、トラブルが起きた際の対処方法まで含めて解説します。

ナテックではクリニックの現金管理を手助けする医療用精算機を販売しています。対面でのコミュニケーションを大切にしながら違算ミスを防ぐ「セミセルフレジ」、金銭授受と管理まで一括で管理が可能な「自動精算機」。
医療用精算機導入をご検討中の方はぜひ一度ご相談ください。

クリニックにおける現金管理の種類

患者と話すクリニックの受付スタッフ

クリニックの現金管理は、種類ごとに分ければ管理しやすくなります。
主に、「窓口用の現金」「小口経費用の現金」「院長専用の現金」の3種類に分ける方法がおすすめです。
クリニックの形態や管理方法次第で、適切な種類の内容や数は変化するため、自院の状況に合わせて管理しましょう。

患者様から窓口でいただく「窓口用の現金」

「窓口用の現金」とは、患者様と窓口でお金のやり取りをするための現金です。
ここでミスが発生すると、患者様への返金対応や追加請求をする必要があるため、その分事務作業も増えてしまいます。請求額の計算や釣銭は間違えないように細心の注意を払いましょう。
また、午前と午後に診療が分かれているクリニックの場合は、それぞれの営業終了時に売上金額と窓口の現金に差額がないか確認するようにしましょう。セミセルフレジや自動精算機を利用すると違算のミスを防ぐことが可能です。ナテックではクリニックに特化した医療用精算機を販売しています。気になる方はぜひ一度機能や金額感についてご相談ください。

現金支払いが必須の経費に使う「小口経費用の現金」

「小口経費用の現金」とは、現金で支払わなければならない経費に使うための現金です。
小口経費を「窓口用の現金」から支払ってしまうと、お金の出し入れが分かりづらくなってしまい管理が煩雑になってしまう可能性があります。そのため、小口経費専用の現金を用意し、そこから支払うようにして管理する方法をおすすめします。

院長の接待・出張の費用に用いられる「院長専用の現金」

「院長専用の現金」とは、院長の接待費や出張費に使うための現金です。
院長の個人的な用件で発生する経費の出費を、「小口経費用の現金」とは別に管理すれば、現金の使途が他の用途と混合しづらくなります。 また、「院長専用の現金」から出費した際は、使用経費の金額と内容が分かるように領収書も合わせて管理しておきましょう。

クリニックで現金管理が大切な理由

大切なポイント

この章では、クリニックにおいて現金管理が重要な理由を3つ紹介します。

財務的に健全な運営を進められる

クリニックにおける売上や経費の管理が徹底していれば、運営の見通しも立てやすくなり、資金調達においても有利に進められます。
現金管理がしっかりできているかどうかは、金融機関が企業を評価する際に確認するポイントです。そのため、適切に現金管理行い、財務的に健全な運営を進めていれば、外部からの評価も得やすくなります。

法務・税務で有利になる

現金がどれだけ適切に管理されているかは、税務調査の調査対象とされている項目です。
日頃から帳簿を正しく記載していて、現金と帳簿内容が合致していれば、国税庁から疑いをかけられることなく、問題なく税務調査が済ませられる可能性が高まります。税務調査であらぬ疑いをかけられないように、現金は日頃から正しく管理しておきましょう。

院内トラブルを防ぐ

現金管理を徹底すれば、従業員が現金を盗むリスクや、収支が合わなくなるリスクを防げます。
窓口における現金のやり取りは、人の手を介して行うため、どうしてもミスが発生しやすい作業です。また、スタッフの不正や盗難は、現金の管理が徹底されていなければ、事態が発覚しづらくなります。 院内トラブルを防ぐために、現金は適切に管理しましょう。

クリニックの現金管理方法

現金管理をするクリニックの従業員

この章では、患者様からいただいた売上金を中心に、現金管理の方法について解説します。

売上金を毎日銀行へ入金する

クリニックの売上金は、売上金が発生したその日ごとに銀行口座へ入金する方法が適切です。
銀行口座に毎日入金すれば、売上金の発生日に入金額が記載されるため、毎日管理されていることが明確になります。業務が忙しく毎日入金できない場合は、1週間と単位を定めての入金も可能です。 また、売上日と入金日がずれる場合は、入金した金額がどの日の売上であるかを別途記載しておくことをおすすめします。

エクセルなどで日計表を付ける

エクセルや会計ソフトを使って日計表を作成すれば、ミスや集計漏れ防止につながります。現金管理をしっかりとするためには、毎日こまめな記載が大切です。
日計表に記載する内容は、主に以下の内容です。

      • 売上金
      • 発生した費用
      • レジ内へ入れた金額      など

また、日計表で管理していても金額のずれが発生する可能性があります。その場合は、レジ内の金額を調整せずに、「金額のずれ」として記載しておく方法をおすすめします。

区別して管理するものを把握する

日計表を付ける際には、以下の項目を混合しないように、分類して記載しましょう。

      • 窓口現金と経費精算
      • 保険診療と自費診療

窓口現金と経費精算は、窓口で患者様とのやり取りをするお金と、経費に使用するお金です。前述したように、経費も小口と院長用で分けておくことをおすすめします。
また、保険を適用して診療したか、そうでないかで課税対象か非課税かが変わります。保険診療は非課税である一方で、自費診療は課税対象であるため、区別して記載しましょう。

レジ内の金額は毎日同額に揃える

レジ内の開始金額は、毎日同額に揃えましょう。
最初の金額が毎回統一されていれば、精算をする際に差額が分かりやすいため、管理しやすくなります。規模がそれほど大きくないクリニックであれば5万円ほどを開始金額とし、状況に合わせて増減させることをおすすめします。

クリニックの現金管理に使う銀行口座の取扱い

ATMでお金を引き出している人

この章では、クリニックの現金管理に使う銀行口座の取り扱い関する管理方法を解説します。

口座名にクリニック名を入れる

銀行の口座名に、「○○クリニック 田中太郎」のように院長名に加えてクリニック名を入れておくと管理しやすくなります。口座名にクリニックの名前が入っていれば、その口座に支払う取引先からの信用を得やすくなり、税務調査の際にも有利になります。
ただし、クリニックの開業前に口座を作成する場合は、屋号を入れられず個人名義しか作成できない点には注意が必要です。また、地方銀行は屋号を入れられない銀行もあるため、口座を開設する銀行で屋号がつけられるかどうかを事前に確認しましょう。クリニック開業時に必要な準備や備品リストについては別の記事でも掲載しています。こちらもぜひご覧ください。
▼関連記事:開業前に要チェック!クリニックを成功に導く備品リストと選定時の注意事項

医師会に推奨銀行を確認する

医師会に所属している場合は、推奨銀行がある可能性があります。
医師会からの案内で推奨銀行が記載されていないかを確認したり、問い合わせしたりすることを推奨します。口座開設後に判明すると、口座の開設をしなおす手間が発生する可能性があるため、開設前に確認しておきましょう。

最寄りのATMや銀行を確認する

口座開設にあたって、最寄りにATMや銀行の店舗の有無を確認しましょう。
口座開設した銀行やそのATMが近くにないと、入金をする際に不便です。近くにATMや店舗がある銀行の口座を開設すれば、毎日の入金において入金担当者の負担が軽減できます。できるだけ、近くにATMや店舗がある銀行に口座を開設しましょう。

ネットバンキングを申し込む

銀行口座を開設する際、ネットバンキングサービスが提供されていれば口座開設と同時に、ネットバンキングの申し込みを済ませておきましょう。
ネットバンキングを利用すれば、スマートフォンやパソコンを使って、クリニック内で残高の確認や利用履歴が確認できます。

口座の数を少なくする

預金保護のために口座を複数開設する場合は2つに留め、クリニック用に管理する口座の数をできるだけ少なくしましょう。
銀行口座を3つ以上保有してしまうと管理が煩雑になってしまう可能性があります。なお、管理が面倒な場合は1つの口座でも問題ありません。必要以上に口座を増やさないように気を付けましょう。

クリニックでの現金トラブルに関する原因・対処法

トラブルに悩むクリニック院長

現金管理をしていると、日計表を作成してどれだけ注意を払っていても、どうしても金額が合わない事態が発生する可能性があります。
この章では、そのようなトラブルが発生したとき、どのように対処すればよいのかについて解説します。

クリニックでの現金トラブルにおける原因

クリニックで現金トラブルが発生した際には、原因を明確にすることが大切です。原因を突き止めて、ようやく対策が講じられるためです。
ここでは、起こりうる主な原因について解説します。

患者様との金銭授受を間違える

患者様との金銭授受の間違いは、最も頻繁に起こりやすいトラブルの原因です。
来院者数が多く、クリニックが忙しいとヒューマンエラーが発生しやすくなります。また、金銭面のやり取りで発生したミスは、どれだけの金額を間違えたのか記録に残らないため、原因が判別しづらくなっています。

カルテと請求額に齟齬が起こる

カルテは正しくても、レジに打ち込む際に金額を間違えてしまっている可能性があります。
レジに打ち込んだ金額を間違うと、患者様が実際に支払う金額も変わってしまうため、カルテの請求金額と実際に受け取った金額が合わなくなってしまいます。
この場合、気づいた患者様が、金額が異なると申し出ていただければ発覚しますが、患者様が申し出ない限り、原因が判明しづらくなります。カルテに記載されている金額は正しいためクリニック側だけでは判明しづらく、受け取った金額とカルテを突き合わせないと原因の特定がしづらい点が要因の1つです。

商品販売利益と診療費を混合する

商品の販売利益と診療費を混合している可能性があります。
院内で健康商品などを販売しているクリニックがあります。そのようなクリニックで、診療費と同時に患者様のお会計をした場合、カルテに記載されていない金額を受け取ることになります。
カルテだけ照らし合わせて精算をすると金額のずれが発生するため、商品を販売しているクリニックは商品販売利益と診療費が混合しないよう、適切に管理しましょう。

盗難が発生してしまう

精算内容とレジ内の現金が合わない可能性の1つが、盗難の発生です。
現金管理が甘ければ、少し金額がずれていても問題ないと考えた従業員が、現金を盗んでしまう可能性があります。また、従業員ではなく昼休みなど院内の人間が少なくなる時間帯に、外部から盗難にあっている可能性も否めません。 受付窓口から人が少なくなる時間帯は、金庫に入れたり、レジに鍵をかけたりと、厳重に管理しましょう。

クリニックでの現金トラブルにおける対処法

ここでは、現金トラブルの原因に対する具体的な対処法を解説します。

患者様と金額を確認する

患者様と窓口担当者の間で、お互いに支払金額に問題がないかの確認をしましょう。
支払金額に対して患者様と窓口担当者がお互いに確認した状態で支払いをすると、釣銭の授受の間違いや、カルテの入力ミスを避けやすくなります。 常に患者様と金額の確認をするように、窓口担当者の教育を徹底しましょう。

確認フローを作成する

レジから金額の入出がある際に、決まった確認フローを作成しましょう。
窓口における金額の授受の間違いを減らすためには、支払金額に間違いないかを複数人で確認することが重要です。院内で確認フローを作成し、マニュアルとして徹底しましょう。
たとえば、窓口で金銭を受け取った際には対応した従業員だけではなく、他の従業員が必ず金額の確認を行い、その後に患者様にも金額を確認していただければ、2人の確認が入ります。 クリニックの規模や時間帯によっては窓口に1人しかいない可能性もあるため、クリニックの状況に合わせた確認フローを作成しましょう。

設備面・風土面で防犯対策を行う

防犯設備を設置し、防犯意識を高めるような風土をつくって、防犯対策をする方法があります。
防犯設備の導入例は、監視カメラや従業員コードを利用したレジ精算機などです。防犯設備があるだけで、盗難は発生しづらくなります。
風土づくりの例は、「研修などによる現金管理の重要性の周知」「お互いにチェックし合う文化の浸透」などが挙げられます。常日頃から盗難が発生しづらい環境づくりをすることが、現金トラブル回避にとっては重要だといえるでしょう。

セミセルフレジ・キャッシュレス決済を導入する

セミセルフレジやキャッシュレス決済を導入すれば、現金トラブルの発生を防ぎやすくなります。
コンビニやスーパーマーケットで導入され始めているように、クリニックにもセミセルフレジの導入が可能です。セミセルフレジやキャッシュレス決済を利用すれば、貰う金額や渡すお釣りは自動で精算されるため、金額間違えが発生しづらくなります。人の手作業をできるだけ減らすことが、ミスを減らすために重要だといえるでしょう。
ナテックではキャッシュレス決済に対応したセミセルフレジを販売しています。詳細はこちらのページからご確認ください。

クリニックの現金管理にはナテックのセミセルフ自動精算システム

ナテックでは、クリニックに特化したセミセルフレジの自動精算システムを取り扱っています。
クリニックの現金管理にお悩みの方や、これからクリニックを開業するものの現金管理が不安な方におすすめのシステムです。

人的ミスが発生しない「自動釣銭機」

セミセルフレジは、自動釣銭機能により、患者様からいただいた金額の計算と、釣銭の排出を自動で行います。人の手を介さないため、現金の数え間違いや、釣銭間違いなどのミスが発生しづらくなる点が特長です。

現金管理の手間が減る「キャッシュレス決済」

ナテックのセミセルフレジは、「キャッシュレス決済」に対応しています。
電子マネーやクレジットカード決済で患者様が精算することが増えれば、現金管理の手間が減ることでしょう。
ナテックのセミセルフレジは、他にもクリニックに特化したさまざまな利点があります。セミセルフレジの導入をご検討している方は、こちらからご覧ください。

まとめ

クリニックの現金管理は、用途ごとにわけて管理することがおすすめです。
適切な現金管理をすることで、院内トラブルを防ぎ、税務や法務上でも有利になり、クリニックの将来の見通しも立てやすくなります。 トラブルが発生した場合は原因を特定し、それに対して対処法を策定しましょう。
金銭間違いを発生しづらくするためには、できるだけ人の手を介さずにお金のやり取りをすることがポイントです。 セミセルフレジの導入をすることで、釣銭間違いを減らし、日々の現金管理の手間を減らすこともできます。
現金管理が手間だと感じている方や、トラブルのリスクを抑えたいと考えている方は、セミセルフレジの導入を検討してみてはいかがでしょうか。