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予約忘れと問い合わせが半減。予約制クリニックにぴったりの診察券発行システム
2019年12月、世田谷区桜新町に泌尿器科を専門とするクリニックとして開院した、せたがや泌尿器腎クリニック。同クリニックは、最新の設備を導入した診療に加え、診察室や待合室、トイレを完全に男女別にして患者様のプライバシーにも最大限に配慮するなど、先進的な考えを取り入れ、安心して来院できる環境を整えている。
患者様を第一に考えた病院づくりを行っている同クリニックで、2024年4月に導入したのが、ナテックの診察券発行システム「Na-001」だ。院長の中村圭輔様に、なぜ導入に至ったのか、その結果どのようなメリットが得られたのかを詳しくうかがった。
予約忘れや予約日の問い合わせが受付の負担に
せたがや泌尿器腎クリニックの診療スタイルは、平日は予約優先制、土曜日は完全予約制をとっている。通院している患者様の多くは、診療時に次回の来院日を予約する。ただ、来院の間隔が数か月空くことも少なくない。
ナテックの診察券発行システムを導入する以前に使用していた診察券は、プラスチックのカードタイプで、単に患者様の情報やクリニックの情報を記載しているだけのものだった。そこに書き込みなどはできないため、次回の予約日は別の紙に印刷して渡していた。
「ところが、1~2か月経つうちに予約の紙をなくしてしまい、予約日がいつだったかわからなくなってしまう患者さんが多くいました。電話による問い合わせも多く、その対応に手間がかかっていました」
せたがや泌尿器腎クリニック院長 中村圭輔様
さらに、徐々に患者数が増えていくにつれて問い合わせも増し、受付の負担は増加。また、予約票のほかに処方箋や明細も渡すため、持ち帰ってもらう紙が多くなってしまうことも課題に感じていた。
「そこで、患者さんの予約忘れを防ぐことができて、受付業務の効率も上げられるようなシステムを導入したいと考えました」
予約日が記載できるリライトタイプの診察券に着目
何らかのシステムを導入したいと考えてから1年ほどは、中村様自身も他の医療機関を受診する機会に、そこがどのようなシステムを使っているのかに注目して情報を集めた。その結果、予約日を忘れにくいのは、リライトタイプの診察券に予約日を印字することではないかと考えた。
「自分の実感としても、診察券と予約票が一体型になったリライトタイプは、次回の予約日を忘れにくいという感覚がありました。それなら、きっと問い合わせも減って、受付の負担も軽減するだろうと考えました」
リライトタイプの診察券を導入するには、あわせて発行や印字を行うシステムの導入が必要となる。診察券の発行システムには、来院受付の機能を備えるものも多い。そこで中村様は、自らのクリニックですでに導入している電子カルテと連携できるものがいいのではないかと考えた。
電子カルテのメーカーの営業担当に問い合わせたところ、連携できるのはナテックの診察券発行システム「Na-001」のみだった。複数社のシステムを比較検討することはできなかったが、受付で受け取った診察券をシステムのリーダーに通すだけで、その患者様の電子カルテを呼び出せることに大きな魅力を感じた。
「以前は、診察券を受け取ったら、患者さんのIDを手入力してカルテを呼び出していました。でも、手入力の必要がなくなることで受付の手間は軽減され、入力ミスもなくなるのではないかと思いました。予算的にも問題なかったので、他社との比較も特段せず、導入を決意しましたね」
導入から設置までスムーズに進んだ
導入を決めてから、実際に設置を終えて稼働をスタートするまでは1か月足らずと、迅速だった。
その中で少し時間をかけたのは、診察券のデザイン決めだ。デザインは、赤や青などいくつかの選択肢の中からベースとなる色が選べるようになっている。せたがや泌尿器腎クリニックのイメージカラーには従来から青を使用していたため、ベースには青を選んだ。
そして、クリニックのイメージに合うデザインの要望を出し、ナテックから具体的なデザイン案をもらったあと、細かな修正点を指摘して微調整をしていった。
「デザインとしては、青のベースに青ラインやロゴを追加しました。また、前の診察券で改良したいと思っていた、受付や来院時の注意事項についても誤解のないように書き込みました。そのため、文字はやや小さくなってしまったのですが、納得のいくデザインにできたと思っています。営業さんとのやりとりは基本メールで行いましたが、特に大きな問題はなく、スムーズでしたね」
その後、診察券発行システムの設置に入ったが、設置作業自体は数時間で終わり、即日使える状態になった。
「受付担当者は2人いるのですが、システム自体の操作はとても簡単なので、2人ともすぐに慣れることができたようです。電子カルテを使えるレベルの方であれば、問題なく操作できるのではないかと思います」
「新しい診察券、いいね」と患者様にも好評
導入して2か月が経ったが、運用は順調だ。診察券に予約日が印字できるようになったことで、狙い通りに予約忘れと予約日に関する電話の問い合わせが減った。
「問い合わせは、1日1~2件程度あったのが、半減しました。診察券が変わってからまだ来院していない患者さんもいるので、そうした患者さんが新しい診察券にどんどん移行していけば、さらに予約忘れや問い合わせの数は減るのではないかと期待しています」
新しい診察券を手にした患者様からも、「紙だとなくしてしまうから、新しい方がいいね」と喜ばれ、評価されている。
予約制のクリニックにおすすめしたい
「今のところスムーズに運用できていますし、システムもシンプルなので、ナテックさんの機器を導入して良かったと思っています。この先も長く使い続けたいですね」と、中村様。
「これから開院する方は、実際にやってみなければわからないということも多々あるかと思います。もし予約制を導入するのであれば、当クリニックで使用しているような診察券発行システムの導入を、ぜひ検討してみてほしいと思いますね」
昨今の医療業界は、システム化への進歩が目覚ましい。そうした医療現場を応援するためにも、ナテックは新しい機器の開発や既存機器の改良、他の機器との連携の強化などに引き続き取り組んでいく。