2024.11.14
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失敗しない勤怠管理システムの選び方、種類や機能を解説

(最終更新日:2024.11.14)

NEW 勤怠管理システムの選び方

勤怠管理システムの導入は、従業員の勤怠管理を効率化する方法のひとつです。しかし、一体どの勤怠管理システムを選べばよいかお悩みの方もいるのではないでしょうか。勤怠管理システムにはさまざまな種類があるため、選ぶ際には必要な機能や導入コストなど重要なポイントを理解しておくことが大切です。

この記事では、勤怠管理システムの種類や選び方、導入方法など、勤怠管理システムを選ぶ際に知っておくべき情報をまとめました。選定前に確認すべきポイントから導入の流れまで一通り把握しておけば、自社に適したシステムをスムーズに選ぶことができるでしょう。勤怠管理システム選定時の効率的な情報収集にぜひお役立てください。

ナテックでは勤怠管理システム「FUN勤怠」「PitTouch Pro3®」を開発しています。ICカードをかざして打刻した勤務状況データを一括して確認、自動集計することができるため、業務負担を改善し効率化を進めます。勤怠管理についてのご相談はこちらからお問い合わせください。

 

 

勤怠管理システムとは

ビジネスマンが勤怠管理をしている

勤怠管理システムとは、従業員の出退勤時間や残業時間、休暇申請などの勤怠状況を管理するシステムです。ICカードやスマートフォンなどを利用し、各従業員の勤怠状況をデータ化することで、リアルタイムに勤怠状況を管理できます。

勤怠管理システムを利用すると、紙のタイムカードの打刻や保管、Excelでの集計といった手間を省き、業務効率化や負担軽減を図れます。また、労働基準法をはじめとした法改正に伴い、正確な勤怠管理の必要性が高まったことから、勤怠管理システムの導入はさまざまな企業で進んでいます。

 

勤怠管理システムの目的

勤怠管理システムを導入する目的は、大きく分けて3つあります。1つ目は、法令を遵守するためです。2019年の働き方改革関連法施行や労働基準法の改正により、各企業には従業員の勤怠状況を正確に把握することが求められています。

2つ目は、従業員の労働時間を適正に保つためです。勤怠管理システムを導入することで従業員の労働時間を正確に把握できるようになり、従業員の過重労働防止にも役立ちます。

3つ目は、人事・労務管理を効率化するためです。従業員数が多い企業ほど、勤怠管理に手間がかかります。勤怠管理システムを導入することで手作業の勤怠管理にかかっていた手間を削減でき、人事・労務管理の負担軽減につなげられます。

 

勤怠管理システムのメリット

勤怠管理システムを導入するメリットは大きく分けて6つあります。以下でそれぞれのメリットを見てみましょう。

メリット1:労働時間を正確に集計できる

正確な記録や集計ができるうえ、リアルタイムでの確認や修正も可能になります。最新の勤務状況を常に把握できるため、業務改善につなげやすくなります。

メリット2:コストを削減できる

自動集計により、手作業にかかる時間と手間を省力化し、結果的に人件費などのコスト削減につながります。

メリット3:不正打刻を防止できる

静脈認証や指紋認証、顔認証など打刻に関するさまざまな設定を行えるため、不正打刻を防止できます。

メリット4:法改正への対応が可能

たびたび行われる労働に関する法改正に、自動アップデートで対応できる製品もあります。業務負担を増やさず、新法令に対応できます。

メリット5:従業員の過重労働防止と、働きやすさ向上につながる

残業時間の多い従業員を早期に発見し、労働環境改善につなげられます。

メリット6:ほかシステムとの連携ができる

給与システムや人事評価システムなどと連携できるため、業務の効率化につながります。

勤怠管理システムのメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

▼関連記事:勤怠管理システムとは?導入のメリットから選び方のポイントまで

 

勤怠管理システムの種類

女性が勤怠管理システムを紹介している

勤怠管理システムには、大きく分けて「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握しておくことで、自社に適した勤怠管理システムを選ぶことができるでしょう。以下に、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。

 

クラウド型

【特徴】

インターネットを通じ、クラウド上の勤怠管理システムを利用します。初期費用無料の製品が多い反面、月額利用料金は従量課金制のものが多く、相場は一人当たり300~500円程度です。

【メリット】

  • クラウド上の勤怠管理システムを利用するため、短期間かつ初期費用を抑えた導入が可能
  • 法改正への対応や保守、メンテナンスにも対応してくれるため、自社対応の必要がない
  • インターネット環境さえあれば、場所を問わず利用できる

【デメリット】

  • クラウド上にデータを保存するため、自社のセキュリティ基準に満たない場合がある
  • 使える機能の幅が限られており、場合によっては機能の追加に料金が必要となる
  • 月額利用料やカスタマイズ料金などの運用コストがかかる
  • クラウド上にデータがあるため、インターネット環境のない場所では利用できない

 

オンプレミス型

【特徴】

自社に合う専用システムをインストールし、自社パソコンで管理・運用を行います。初期費用は数十万~百万円程かかる場合が多い反面、買い切りであるため基本的に月額利用料金は発生しません。ただし、システムの運用・保守には別途コストがかかります。

【メリット】

  • 自社向けにシステムを設定するため、より自社に合ったシステムを構築できる
  • 給与システムや人事評価システムなど、ほかのシステムと連携させやすい
  • 社内ネットワークを使用するため、セキュリティ性が高く障害対応もしやすい
  • 買い切り型であるため、基本的に月額利用料金はかからず、クラウド型よりコストを抑えられる場合がある

【デメリット】

  • 自社で管理ソフトを購入しインストールして運用するため、初期費用がかかる
  • 社内ネットワークを使用するため、LANやVPNなどのネットワーク環境構築に費用がかかる
  • 拠点数が多い場合、専用の打刻機を各拠点分揃える必要があり、費用がかかる

ナテックの「FUN勤怠」は、PCにインストールするだけのオンプレミス型の勤怠管理システムです。詳しい製品情報をまとめた資料をご用意していますので、ぜひダウンロードしてご確認ください。

 

勤怠管理システムの機能

PCで仕事をする

勤怠管理システムには、具体的にどのような機能があるのでしょうか。主な機能をご紹介します。

 

打刻機能

出退勤時刻を管理する機能です。パソコンやスマートフォン、ICカードや指紋認証などさまざまな打刻方法があります。位置情報もわかるGPS認証や、従来のタイムカードと連動可能な認証もあるため、自社の働き方に合ったものを選ぶとよいでしょう。

 

勤務状況の集計・分析

従業員の出退勤時刻や残業時間、休日出勤などをリアルタイムで自動集計し、給与計算ソフトへ連携します。集計結果に基づき、予実管理や組織傾向を分析する機能が備わっている製品もあります。担当者による給与計算ソフトへの入力作業が必要なくなり、分析結果から労務面の問題を見つけやすくなります。

 

残業や休暇の申請・承認

残業や有給休暇・特別休暇などの各種申請と承認をシステム上で手軽に行えます。また、有給休暇の取得日数管理がスムーズになり、適切な休暇管理に役立ちます。

 

シフトの作成や管理

シフトのパターンを登録しておくことで、複雑なシフトであってもスムーズに作成することができます。また、各時間帯における人員の過不足の確認やシフトの変更、ヘルプ依頼を行う機能があり、適切な人員配置がしやすくなります。

 

アラート機能

残業時間が一定の基準を超えた場合や打刻漏れがあった場合にアラートを出せる機能です。通知方法は、メールやポップアップなどがあります。従業員の労働時間管理に活用することで法令順守に役立つでしょう。

 

勤怠管理システムの選び方・比較ポイント

AとBを比較する女性

勤怠管理システムを選ぶ際には、いくつかの比較ポイントがあります。以下で確認し、選定時にぜひお役立てください。

 

自社に必要な機能を備えているか

自社の勤怠管理に必要な項目とそのために必要な機能を事前に洗い出しておき、それを備えたシステムか確認しましょう。例えば「従業員がどこにいても打刻できる」、「シフト管理機能がある」、「ほかのシステムと連携させたい」など要件を具体的にリストアップしておきます。そうすることで、自社に適したシステムを選べます。

 

クラウド型かオンプレミス型か

クラウド上のシステムを利用する「クラウド型」と専用システムをインストールする「オンプレミス型」とではそれぞれメリット・デメリットが異なります。そのため、自社の勤怠ルールや導入目的と照らし合わせながら、費用面やセキュリティ面、カスタマイズ性などを確認し、どちらのシステムを導入するか検討しましょう。

 

ほかのシステムとの連携ができるか

すでに自社で利用している給与計算システム・人事システムなどがある場合、こうしたシステムとの連携が可能か確認しておきましょう。スムーズな連携ができれば、業務効率化がより進みます。また、他にも今後導入する予定のシステムがある場合は、そのシステムとの連携性も把握しておきましょう。

 

カスタマイズ性があるか

自社の勤怠ルールに合った勤怠管理ができるよう、機能をカスタマイズできるか確認しておきましょう。デフォルトで必要な機能が全て備わっていない場合でも、必要な機能をカスタマイズとして追加できるシステムもあります。将来的に規模の拡大を目指している場合はカスタマイズ性の高いシステムを選んでおきましょう。

 

だれにでも使いやすいシステムか

勤怠管理システムは全ての従業員が利用するため、だれもが使いやすい作りであることが重要です。「打刻しやすいか」、「勤怠管理画面が見やすいか」、「データ抽出はすぐできるか」など実際に利用する機能を中心に操作性を確認しておきましょう。デモ版があれば実際に操作してみると使い心地がよく分かるでしょう。

 

セキュリティ(安全性)が担保されているか

勤怠管理システムは個人情報や勤怠データという機密性の高い情報を扱うため、セキュリティ面も重要なチェックポイントになります。自社のセキュリティ要件を満たしているか、安定的な稼働が見込めるかなどを事前に確認しておきましょう。

 

サポート体制が整っているか

導入後のトラブルや疑問に関する窓口や初期設定の補助などのサポート体制が整っているかを確認しておきましょう。多くの製品にはマニュアルが整備されていますが、導入説明会を実施していたり、初期設定のサポートをしてくれたりする場合もあります。サポート内容に加え、料金設定や対応時間も把握しておくとよいでしょう。

 

法改正に対応しているか

法改正に対するアップデートが自動で行われるかどうかを確認しておきましょう。多くの勤怠管理システムは、法改正に対するアップデートを自動で行ってくれますが、まれに対象外だったり有償対応だったりする場合もあるためです。

 

コストや料金形態は適正か

料金体系は使用人数に応じた月額制や従量課金制、買い切りタイプなどの種類があるため、自社に合った料金体系のシステムを選びましょう。また、自社の規模拡大や機能追加によってかかる費用、ランニングコストなどがかかる場合もあります。導入後も継続して負担できる費用感かどうか注意が必要です。

 

導入前の無料トライアルがあるか

システムによっては無料トライアルや無料プランが用意されている場合もあります。その場合は、無料期間がいつまでかを確認し、積極的に活用してみましょう。従業員にも使用してもらい、使いやすいかどうか必要な機能は揃っているかを導入前に確認しておくことで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。

 

勤怠管理システム導入の流れ

社内会議をしている

勤怠管理システムの選び方を把握したら、選定に向けて導入までの流れを確認しておきましょう。

 

1. 管理システムを導入する目的を明確にする

勤怠管理システムを選定するにあたり、まずは導入の目的を明確にしておきましょう。「勤怠管理を自動化し、人件費を削減する」、「法改正に対応し、残業の少ない職場環境にする」など、システム導入によって成し遂げたいことを定めます。目的に基づいてシステムを選定することで、導入の失敗を防ぎやすくなります。

 

2. 勤怠管理システムを選定する

導入の目的を踏まえて、勤怠管理システムを選びます。まず、「クラウド型」と「オンプレミス型」のどちらにするかを決め、その後にどの勤怠管理システムにするかを決めるとスムーズです。

導入の目的以外にも、

  • 自社の勤怠管理規則に合ったシステムか
  • 外部システムと連携しやすく、使いやすいか
  • サポート体制はしっかりしているか

などの項目を確認しておきましょう。

 

3. 機能や操作方法を従業員に周知する

勤怠管理システムが決定したら、従業員へそのシステムの機能や使い方を周知します。システムを使う現場の理解が得られるよう、社内説明会や研修の開催、マニュアルの配布を行いましょう。その際、「手間や時間の削減」や「工数削減による残業の軽減」など従業員のメリットを提示すると理解が進みシステムが浸透しやすくなります。

 

4. テスト運用を行う

本格的に導入する前に一部の部署でテスト運用を行うようにしましょう。いきなり全社に本格導入した場合、「現場に合わないシステムだった」あるいは「かえって作業に手間がかかるようになった」などの問題が起きる可能性があります。具体的には1か月ほどのテスト期間を設け、既存のシステムと並行運用して、本格導入しても問題ないか確認するとよいでしょう。無料トライアルできるシステムもあるので、その場合はぜひテスト運用に活用してみましょう。

 

5. 本番導入する

テスト運用を行った結果、問題なければ全社的にシステムを本番導入します。勤怠管理システムはその性質上全ての従業員に関係するシステムであるため、失敗すると広範囲に影響する可能性があります。少しずつ順を追って導入し、確実に成功させましょう。

 

勤怠管理システムの導入失敗例

PCの画面を見て悩む男性

導入を成功させるためには、失敗例をあらかじめ知っておくことも重要です。以下で勤怠管理システムの導入失敗例を見てみましょう。

 

自社の勤怠ルールに対応できなかった

勤怠管理システムの機能をよく確認せず、自社の勤怠ルールに合わないシステムを導入してしまうケースです。「労働時間が1分単位で処理できない」、「日付をまたぐ勤務にエラーが出る」など、かえって処理が煩雑になってしまうことも考えられます。事前に自社の勤怠ルールを再確認し、必要な機能を洗い出しておきましょう。システムによっては後から必要な機能を追加することも可能です。

 

使いにくい、難しいシステムだった

「UIが分かりにくい」、「打刻がワンアクションで完結しない」など、使いにくいシステムだとミスの増加や使用率の低下が起こってしまいます。また、自社の目的に対して機能が多すぎるシステムを導入すると、使いこなせずコストが割高になってしまうことも考えられます。使いやすさ、分かりやすさも選定時に確認しておきましょう。

 

外部連携ができないシステムだった

給与計算システムや人事管理システムなどの外部システムとの連携ができないと逆に業務効率が落ちてしまいます。連携できる場合でも、データの出力形式が外部システムのフォーマットに対応していないと、毎回データの変換が必要になります。自社の既存システムとの連携がスムーズか事前に確認しておきましょう。

 

法改正へのバージョンアップがされなかった

法改正へのアップデート対応がなく、勤怠状況が違法になっていても気付けないケースです。また、システムへのサポート期限が途中で切れてしまい、新しい法改正に対応できないこともあります。導入時は、法改正へのアップデート対応はあるか、販売元のサポートがいつまで続く予定かを確認しておきましょう。

 

勤怠管理システム選びで失敗しないために

失敗しない勤怠管理システム選びのためには、まず製品ごとの長所・短所をしっかり理解することが大切です。ナテックの勤怠管理システム「FUN勤怠」「PitTouch Pro3®」には、以下のような強みがあります。

 

勤怠管理業務を効率化

ICカードをかざすだけのシンプルな打刻方法で、簡単に勤務時間を記録できます。また、勤務状況を一覧で確認したり、自動集計したりすることが可能で、従来のアナログな勤怠管理と比べて入力や処理の業務を大幅に効率化することにつながります。

 

だれでも使いやすいインターフェース

FUN勤怠はだれでもわかりやすく使いやすい、シンプルなインターフェースのため、デジタルツールが苦手な方でも迷わずに利用できます。

 

給与システムとの連携可

打刻データはCSVファイルで出力が可能です。給与システムなど外部システムへの連携を手早く、入力ミスなく行うことができるため、効率よく作業を進めるのに役立ちます。

 

法改正に対応

FUN勤怠は改正労基法にも対応済みです。法令に沿った正しい勤怠管理を行うことで、適正な労働状況かどうかを常にチェックできます。

 

ランニングコストが不要なパッケージソフト

FUN勤怠はPCにインストールする低価格のパッケージソフトで、毎月のランニングコストがかかりません。従業員の数に応じた課金形態でないため、従業員が増えた際も安心です。

ナテックの勤怠管理システム「FUN勤怠」「PitTouch Pro3®」には、勤怠管理をよりスムーズに、ラクにするための仕組みがあります。勤怠管理システムの導入や入れ替えを検討しているけれど、「ここが自社の勤怠ルールには合わない」というような場合は、カスタマイズのご相談も承っておりますので、お気軽にお話をお聞かせください。

 

まとめ

勤怠管理システムは全従業員が使用するため、導入に成功すれば業務効率化を図れますが、失敗すると広範囲に影響してしまう可能性があります。そうならないよう、事前にしっかりと勤怠管理システムの概要を把握し、導入の目的や必要な機能を明らかにしてシステムを選ぶようにしましょう。

システム選定を丁寧に行えば、自社に必要な機能を備えた費用対効果の高い勤怠管理システムを選べる可能性が高まります。業務効率化や法令遵守を実現するためにも、上記比較ポイントを踏まえたシステム選定を心がけましょう。