
世界標準の非接触ICカード
MIFAREはNXPの有名なブランドで、幅広い非接触IC製品で、120億個以上の非接触ICとデュアルインターフェースICを販売しています。
デュアルインターフェースICを販売しています。MIFAREは、世界中で40以上の異なるアプリケーションで使用されています。
そもそもMIFAREとは?
MIFAREは、NXPセミコンダクターズが開発した非接触型ICチップ技術です。MIFARE(マイフェア)とは「MIkron FARE-collection System」を略したもので、オランダの「NXPセミコンダクターズ社」が特許・商標を持つ非接触カードおよび通信規格を指します。MIFAREに内蔵されているICチップは、通信機能やデータ処理機能を備えており、リーダにかざすだけで迅速にデータの送受信や認証が行えます。また、用途に応じた異なる製品ラインアップがある点も特徴です。
MIFAREチップはカード型だけでなく、ラベル、小型タグ、リストバンド、キーホルダーなど、さまざまな形状で提供されており、利用シーンに応じた選択が可能です。

“かざすだけ”で利用できるMIFAREの仕組み
クレジットカードなどでよく利用される磁気カードは、カードをリーダに接触させて情報を読み取る方式ですが、MIFAREはリーダとICチップが電波を使って通信を行う仕組みを採用しており、非接触でデータのやり取りが可能です。この技術により、カードを機器にかざすだけで瞬時に認証や情報の送受信ができるため、よりスピーディーで便利なシステムが開発されるようになりました。
MIFAREとNFCの関係
MIFAREは、NFC(近距離無線通信)技術の一部として活用される非接触ICチップのブランドです。NFCは、約10cm以内の距離でデータを送受信できる無線通信技術で、いくつかの通信規格が存在します。MIFAREはその中で「NFC-A」規格をベースに設計され、暗号化や高度なセキュリティ機能を備えています。この技術により、交通機関の電子チケットや入退室管理システム、電子マネーなどでスムーズかつ安全なデータ通信を実現しています。MIFAREは多用途で信頼性の高いサービスを提供し、世界中で広く採用されています。

FeliCaとの違い

- NFC-Aの規格を採用
- 国際規格に準拠
- 比較的低コスト
- 入退室管理、プリペイドシステムなど

- NFC-Fの規格を基盤に開発
- 高速なデータ転送
- 高いセキュリティ
- 交通系ICカード、電子マネーなど
MIFAREとよく比較される非接触ICカード技術に「FeliCa」があります。FeliCaとMIFAREはどちらも非接触型ICカード技術である点は共通していますが、通信規格や特徴に違いがあります。 FeliCaはソニーによって開発され主に日本で普及しています。「NFC-F」という規格を基盤に開発されており、高速なデータ転送と高いセキュリティを実現しています。これにより、交通系ICカードや電子マネーなど、瞬時の処理が求められる場面に活用されることが多いです。 一方、MIFAREは「NFC-A」という規格を採用しています。この規格は世界各国で広く普及しており、アクセス制御、入退室管理、プリペイドシステムなどで多くの場面で利用されています。MIFAREは国際規格に準拠していることや、比較的低コストで導入できる点が特徴です。
FeliCaとMIFAREはそれぞれ得意領域が異なります。自社の運用にあわせた規格を選定することが重要です。 ナテックではどの規格を選べばよいのか、企業様の課題や目的から適切な規格をご提案可能です。お気軽にお問い合わせください。
MIFAREの5つの特徴
1:国際規格に準拠している
MIFAREは、ISO/IEC 14443という国際規格に基づいた通信技術を採用しており、これにより世界中での利用が可能となっています。この規格は、非接触型ICカードに関する標準化を目的としており、MIFAREはその仕様に適合しています。世界中のさまざまなデバイスやシステムとの互換性があることで、国際利用を検討している企業に多く導入されており国際的な普及が広がっています。

2:幅広い製品ラインナップ
MIFAREの特徴の一つは、幅広い製品ラインナップに対応している点です。用途や要件に応じた多彩な製品が提供されており、低コストでシンプルなものから高度なセキュリティ機能を備えたものまで揃っています。この柔軟性により、MIFAREは入退室管理や交通システム、電子マネーなど、さまざまな分野で活用されています。多様なニーズに応える製品展開が、MIFAREが世界中で選ばれる理由の一つです。

3:コストパフォーマンスが良い
MIFAREカードは、非接触型ICカードとして必要な機能を備えながら、製造コストが低く抑えられており、大量生産に適しています。コストパフォーマンスに優れているため使い捨てのイベントチケットなどにも採用されています。また、国際規格に準拠しているため、既存のデバイスやシステムとの互換性が高く、新規に購入する費用を削減することが可能です。このコスト効率の良さはMIFAREが世界中で広く普及している理由の一つです。PVCカードは高品質な割に比較的低コストで大量生産が可能な点も特徴のひとつです。企業や店舗のプロモーション用カード、イベント用の一時的なカードなど、多くの用途で採用されています。予算を抑えながら高品質な製品を提供したい企業様におすすめの素材です。加えて、耐久性が高いため、交換頻度が少なく、長期的なコスト削減にもつながります。

4:汚れや傷に影響されない
MIFAREカードは、汚れや傷に強い耐久性を備えています。MIFAREチップはカード素材によって覆われるため、日常的な利用で生じる汚れや擦り傷があっても、問題なくデータの読み取りや通信が可能です。この設計により、カードケースやカバンの中でほかの物と接触しても性能が損なわれにくく、長期間安定して使用できます。高い耐久性は、頻繁に使う場面での信頼性を支える大きな特長となっています。

5:カード形状以外にも対応可能
MIFARE技術は、カード型にとどまらず、さまざまな形状にも対応できる柔軟性を持っています。たとえば、携帯電話や小型トークン、腕時計やキーホルダー、最近では自動車の車検証などにも使用されております。このように、カードを持ち歩かなくても非接触型決済や認証が可能となり、より手軽に利用できるようになります。形状に制約がなく、多様な製品に組み込めるため、用途も拡大しています。

主な活用例
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学生証・社員証
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入退室管理
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ホテルルームキー
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ゴルフ練習場
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電子マネー
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フィットネスクラブ会員証
MIFAREはその汎用性の高さから、さまざまな場面でご活用いただけます。
- 学生証・社員証:学校や企業のIDカードとして使用され、食堂の支払い、図書館の利用管理などにも応用
- 入退室管理:オフィスや施設の入退室管理システムに利用され、セキュリティ向上に貢献
- ホテルルームキー:ルームキーや生産情報の管理に活用し、会計業務の効率化を実現
- ゴルフ練習場:ご利用料金(ボール貸出)の御支払に使用するプリペイドカード。磁気不良及びランニングコストの軽減のため導入が増加
- 電子マネー:スーパーや専門店などで電子マネーカードとして利用され、レジ会計時間の短縮や磁気不良などのトラブル防止の対策で導入が増加
- フィットネスクラブ:会員証の役割を担い入退室管理やロッカー利用、キャッシュレス決済など、さまざまな用途で使用されます。
導入から運用までの流れ
導入までの手順
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お問い合わせ
まずはお気軽にご相談・
お問い合わせください -
お打ち合わせ
悩みや課題、実現したいことの
ヒアリングを実施いたします。 -
お見積り・ご提案
要件にあわせてお見積りと
ご提案をさせていただきます。 -
デザイン作成
デザインデータをご支給いただく、
もしくはいちからデザインの作成を
行います。 -
製造着手
校了したデータをもとに
カード製造を開始します。 -
納品
お手元にカードを
お届けします。
製品技術情報
MIFAREは製品ラインナップが多い点も魅力のひとつです。
必要最低限の機能に抑えたモデルから高いセキュリティを誇るモデルまでさまざま種類がありますので利用の用途にあわせた選択が必要です。
MIFARE Classic
MIFARE Classicは、低コストで広く利用されている非接触型ICカードです。主にアクセス制御、プリペイドカード、公共交通機関などの用途に使用されています。既存のデバイスやシステムと高い互換性があるため、世界的に多くのシステムで採用されています。暗号化機能は搭載されていますが、セキュリティ用途で利用する場合にはセキュリティに特徴のある「MIFARE Plus」と「MIFARE DESFire」の利用を推奨いたします。
EV1 1K - 4K | |
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通信方法 | ISO/IEC 14443 |
動作周波数 | 13.56 MHz |
暗号化アルゴリズム | ー |
CC認証 | ー |
メモリ | 1/4KB |
データ保持期間 | 10年 |
書きこみ回数 | 20万回 |
MIFARE Plus
MIFARE Plusは、セキュリティとコストバランスに優れた非接触型ICカードです。MIFARE Classicの後継として、強化された暗号化機能を提供し、既存のMIFARE Classicと互換性を保ちながら、セキュリティを向上させています。主に公共交通機関や小売業などで利用され、アプリケーションの安全性を高めつつ、コスト効率も重視されています。また、ユーザーのニーズに応じて、セキュリティレベルを段階的に変更できる点も特徴です。
EV2 | SE | |
---|---|---|
通信方法 | ISO/IEC 14443 | |
動作周波数 | 13.56 MHz | |
通信速度 | 最大848kbps | |
暗号化アルゴリズム | AES128 | AES128 |
CC認証 | EAL 5+ | EAL 5+ |
メモリ | 2/4KB | 1KB |
データ保持期間 | 25年 | 10年 |
書きこみ回数 | 100万回 | 20万回 |
MIFARE Ultralight
MIFARE Ultralightは、低コストでシンプルな非接触型ICカードです。主に短期間のチケットやタグ、アクセス管理システムで使用されます。容量は比較的小さいものの、書き込み回数が制限されたシンプルなメモリ構造を持ち、無駄な機能を省いた設計が特徴です。セキュリティ機能は限定的ですが、手軽で効率的な利用が可能で、特に使い捨てカードやイベントチケットなどに適しています。
AES | C | EV1 | |
---|---|---|---|
通信方法 | ISO/IEC 14443 | ||
動作周波数 | 13.56 MHz | ||
通信速度 | 106kbps | ||
暗号化アルゴリズム | AES128 | 3DES | ー |
CC認証 | EAL3+ | ー | ー |
メモリ | 144B | 1536B | 640/1312B |
データ保持期間 | 10年 | ||
書きこみ回数 | 10万回 |
MIFARE DESFire
MIFARE DESFireは、セキュリティ性が非常に高いICチップで、タグやラベル形式で広く使用されています。日本では2023年から車検証にこのICチップが導入され、世界各国ではパスポートにも採用されています。その強力な暗号化機能とファイル分割機能により、高いセキュリティが求められる場面に最適ですが、利用には一定の技術的知識が必要です。
EV3 | Light | |
---|---|---|
通信方法 | ISO/IEC 14443 | |
動作周波数 | 13.56 MHz | |
通信速度 | 最大848kbps | |
暗号化アルゴリズム | DES/2K3DES/ 3K3DES/ AES128 |
AES128/LRP |
CC認証 | EAL 5+ | EAL4 |
メモリ | 2/4/8/16KB | 640B |
データ保持期間 | 25年 | 10年 |
書きこみ回数 | 100万回 | 20万回 |