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部署ごとの複雑な勤怠ルールに対応できるシステム導入で、勤怠管理業務を大幅削減
岐阜県可児市にある「天然温泉 三峰(みつみね)」は、緑に囲まれた抜群のロケーションで、天然アルカリ温泉のやさしいお湯で疲れた体を癒しながら料理を楽しめる、人気の日帰り温泉施設だ。
導入されたのは、ナテックが手掛ける勤怠管理システム「FUN勤怠」と、ICタイムレコーダー「PitTouch Pro3」。決定された経緯や導入後の成果を、経理や総務を担当する横山真澄様に詳しく伺った。
約100名分の勤怠管理と給与計算の体制を見直し
日帰り温泉施設である天然温泉 三峰が導入したのは、インストール型の勤怠管理システム「FUN勤怠」と、ネットワーク対応のICタイムレコーダー「PitTouch Pro3」。オンプレ型の勤怠システムを使用することで、煩雑な勤怠時間集計作業の悩みを解決する製品である。
従来の勤怠管理では従業員が紙のタイムカードに打刻し、それを経理担当者がエクセルに入力して給与計算をしていた。約100名もの従業員の勤怠記録を経理担当1名で行うのは非効率的で、負荷が大きくなっていた。
「スタッフ一人ひとりの打刻時間をエクセルに入力し直して、勤務時間を計算していました。給料に関係してくることなので間違えるわけにはいかず、チェックを2回行っていたので時間がかかっていました」
1人で集計作業をするうえに、総務や労務も兼務しなければならず、月末近くになれば多忙を極めた。ミスをしてはいけないというプレッシャーも大きな精神的ストレスになったと言う。
導入の決め手はオリジナルのシステム設計。複雑な勤怠ルールにも対応
数年前に他社製品を検討したこともあったが、使い勝手が悪く見送ることに。よりよいシステムがないかと探していたところ、POS業者から「FUN勤怠」と「PitTouch Pro3」を勧められた。
「使い勝手がよくて、シンプルなシステムだと感じました。複雑な作業は必要なく、労働時間の計算がしたいという弊社のニーズにも合っていました。なおかつ、月額ランニングコストが不要で、予算の範囲内に収まるという点も導入検討のきっかけになりましたね」
導入の最終的な決め手となったのは、カスタム性の高さだ。天然温泉 三峰では、部署ごとに少しずつ異なる勤怠ルールがあり、システムもそれらに対応しなければならない。「ホール」と「清掃」といった具合に2つの部署から給与を支払うケースもあり、そうした独自のルールをシステム上に落とし込めるかが懸念点であった。
「FUN勤怠」は各企業のスタイルに合わせて自在にカスタマイズできることが強みで、導入先の環境に合わせて要望を取り入れながらオリジナルのシステムとして活用できる。複雑なルールをシステム化できるかという心配はすぐに解消された。
「分からないことや困りごとが発生するたびに電話やWeb会議での画面共有などで対応してもらえます。会社独自の設計をしてもらい、助かりました」
業務効率化でストレスフリーに
実際に天然温泉 三峰に勤怠管理システムが導入されてから、どのような効果があったのだろうか。
最も大きな変化は、勤怠管理にかかるコストが大幅に削減されたことだと言う。
「スタッフの出退勤時間を集計して賃金を計算し終えるまで、これまでなら丸5日はかかっていましたが、導入後は2日でできるようになりました。月末を迎えた時点で勤務時間の集計は自動で完了しているので、あとはスタッフの打ち間違いがないかを確認するだけです」
端末である「PitTouch Pro3」はネットワーク機能を搭載しているので、打刻データはリアルタイムでPCへ自動転送される。端末を設置した場所へわざわざ出向いてデータを収集する必要はない。
万が一、端末とPCをつなぐネットワークが途切れてしまった場合でも、データは端末に記録されているので安心だ。紙のタイムカードのように、過去資料の保管場所に困らないのも利点だと語る。
業務の負担が減っただけでなく、担当者である横山様の心理面でも大きな変化があった。
「経理、総務、労務と兼任しているので、ひとりで確認しているとミスすることもあります。特に忙しい時は不安になり、余裕がない状況に少なからずストレスを感じていましたが、今はシステム上で自動計算しているから大丈夫だと安心できるようになりました」
PCスキルや専門知識がなくてもOK。従業員の反応も上々
スムーズに導入・運用ができている理由には、特別なPCスキルや専門知識などが不要であることが大きい。実際に、導入するまでのやりとりは、3回ほどのリモート打ち合わせのみだった。
「私自身はOL時代にパソコンを少し触っていた程度で、機械に明るいわけではありませんが、専門知識がないPC初心者でも問題なく活用できるので助かっています。PCにインストールしたアプリ画面も非常にシンプルで見やすく、データ管理がしやすいです。導入後に出てきた問題もありましたが、カスタマイズして改善してもらえたので、今後はもっとスムーズになっていくと思います」
従業員が使用する端末の設置も、使いたい場所に置いてコンセントを挿すだけと非常に簡単だ。出退勤時刻の入力は、個人ごとに支給されたカードを端末にかざせば完了するため、難しい作業は発生しない。カードをかざすと端末から「おはようございます」といったあいさつの音声が流れ、打刻したことを知らせてくれる。
「実際に端末を利用している従業員の反応も良いです。最初に紙のタイムカードをなくすことをスタッフたちに伝えた時はみんな驚いて『どうやって打刻時間を確認したらいいの?』『打ち間違えたらどうしよう』と不安がっていたのですが、すぐに受け入れてもらえました。抵抗も不満もなく、馴染んでくれていますね」
新型コロナウイルスの登場以降、生活のさまざまな面で非接触のタッチパネルが増えている。こうした時代背景も、天然温泉 三峰の従業員が「PitTouch Pro3」を受け入れやすい土台となったのだろう。
誰にでも分かる作業で、引き継ぎ問題を解消
システムの導入により、便利で快適な環境が整った天然温泉 三峰。さらなる活用のために今後の展望を伺ったところ、ゆくゆくは給与システムにも落とし込みたいと語る。
「FUN勤怠なら自動集計された勤務時間をCSVファイルに変換して出力することができるので、給与ソフトにも簡単に連携できます。手間をかけずに連携することで、さらなる業務効率化が期待できるでしょう」
「FUN勤怠」には残業時間の上限や、有給休暇取得日数、時間有給の管理機能が搭載されている。また、オプションで「誰が、いつ、どの工程で作業したか」を記録することも可能だ。働き方改革により、労働時間の状況を「適切に把握」することが必須となった改正労働基準法にも対応している点が、多くの企業から支持されている。
「以前の私のように、勤務時間や給料を手入力している企業さんはまだたくさんいらっしゃると思います。私自身も、そうしたアナログなやり方のほうが、融通が利くと思っていました。でも、いつまでもこのやり方をしていたら新しい担当者に引き継げません。時代に合った新しいやり方を覚えてから引き継がなければ、という危機感はどこかで抱いていました」
手作業でのアナログ業務は、長年働いている従業員だからこそできることだ。職場の細かな慣例にも柔軟に対応できるやり方ではあるものの、新しい担当者に引き継ぐのは難しい。万が一担当者が倒れたら、そのまま引き継げる人材がいないという不安感が常につきまとう。こうした引き継ぎ問題の解消につながる点も、システム導入に至る代表的な理由だ。
「賃金計算を手入力で行っている中小企業の皆さんに、これらのシステムをおすすめしたいです。わずらわしい管理をシステムに任せておけば、慣例に配慮した複雑な作業は発生しなくなります。他の担当者に引き継ぎやすくなり、担当者の心と時間にも余裕ができるでしょう。結果、お客様へのサービス向上も期待できると考えています」
「ずっと、このやり方でやってきたから」「自分が頑張れば何とかなる」という思いで乗り切っている企業も少なくはないだろう。ただ、天然温泉 三峰のように職場の悩みをシステムで解決して、担当者に依存する属人化を防ぎ、標準化を図るのは業務効率化の要だ。
ICカードソリューションを開発・提供するナテックは、便利で分かりやすい、時代に合ったシステムを提案し、あらゆる職場の問題を解決へと導いていく。