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学生向け賃貸事業に会員カード導入。会員が会員を呼ぶ仕組みとは
金沢市東部エリアを主な拠点とする「のうか不動産」は、”日本一マメな不動産屋”をモットーに、学生に特化した賃貸事業を展開し、ICカードを利用した会員制度「マメックスメンバーズクラブ」を導入している。カードシステム導入の狙いや活用法などについて、のうか不動産広報企画室の米山宏氏に話を伺った。
入居者向けサービス拡充のためICカードで会員制度を確立
金沢市東部エリアは、金沢大学や金沢美術工芸大学など、6つの大学が集まる学生の街だ。のうか不動産でも実に賃貸事業の顧客の8割以上が学生であり、本店店内には学問の神様・菅原道真を祀る金澤神社と連携して「のうか神社」を設置。部屋の予約に訪れる受験生たちに喜ばれている。
受験生にも合格した学生にもマメなサービスを徹底するのが、のうか不動産。入居者サービスとして、金沢大学角間キャンパスと学生たちが住むエリアとをつなぐ会員専用の無料シャトルバス「マメバス」を運行している。
従来は、部屋の鍵を乗車パス代わりにしていたが、それでは不正乗車を防ぐことができず、また、カフェをはじめ、計画中の新しいサービスにも対応できなかった。そうしたご相談を受け、ナテックからご提案したのがICカードを用いる会員カードシステムだ。
ICカードなら会員情報の入力・管理も利用状況の確認も簡単に行える。たとえば、バスの場合、乗車時にカードを読み取り機にかざせば、「ピッ!」という音が鳴り、運転席にあるタブレットには会員情報が表示されるように独自のシステムを構築した。
「登録されていないカードで乗車しようとするとブザーで知らせてくれるので、不正乗車の防止に役に立っています」と米山氏。
「どのバス停から何人が乗車したかもわかります。今後そうした情報を分析すれば、本当に必要な場所にバス亭を設置することができると思います」
入居者向けサービス拡充のためICカードで会員制度を確立
現在、のうか不動産の会員制度「マメックスメンバーズクラブ」では、無料シャトルバスの他、会員専用カフェ「カフェビーンズ」や暮らしの困りごとなどに対応する「マメックスサポート24」などを利用でき、約110の加盟店で特典を受けたり、のうか不動産主催の学生向けイベントに参加することができる。
会員ランクは、ホワイト、グリーン、ゴールドの3種類。入居者を1人紹介すればグリーンに、2人紹介すればゴールドになり、ランクアップするほど「カフェビーンズ」での利用がどんどんお得になる。
「『マメックスメンバーズクラブ』は入居者向けサービスを拡充するためのものですが、紹介制度を取り入れたことで、より確実に顧客を獲得できます。会員数は順調に伸びています」と米山氏は語る。
「今はまだカードで得られた情報を確認している段階ですが、今後は集めたデータを有効活用して会員に喜ばれるサービスを実現していきたいと思います。また、会員カードを部屋の鍵としても使いたいと考え、当社所有物件から鍵の交換を計画しているところです」
カフェ・ビーンズ