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頻発していた打刻もれやミスを改善して勤怠管理の負担を軽減
神奈川県横浜市の一角に佇む趣のある店。それが1948年の創業以来、お菓子やパンの製造・販売を手がけ、地元民から愛され続けている本牧館だ。45名の従業員を擁し、本店のほかに2店舗を展開する(2025年2月19日現在)同社は、2024年9月より勤怠管理システムとして、ナテックの「FUN勤怠」と専用タイムレコーダー「PitTouch Pro3」を導入している。「FUN勤怠」を導入するまでの経緯や成果について、本牧館の事務と経理作業を一手に担う白旗様へ詳しくお話を伺った。
紙のタイムカードでの勤怠管理に限界を感じる
本牧館では、本店に併設された工房で1日100種類以上のパンを製造し、ほか2店舗へ配送している。そのため昼勤のほか、仕込みを行う夜間シフトなど勤務体制はやや複雑だ。「FUN勤怠」導入前までは、紙のタイムカードを使用して全店舗の従業員の勤怠管理を行っていた。
「以前はタイムカードをスタッフの人数分印刷して一人ひとり番号を割り振り、目視で勤怠状況をチェックしなければなりませんでした。スタッフが休日に残業しているかどうかも、すべて手計算しないと算出できません。事務担当が私だけですのでダブルチェックを誰かにお願いすることもできず、『ミスしないように』というプレッシャーが凄かったです」と白旗様は当時を振り返る。
給与計算や月末の振込処理、インターネットバンキングの手続きといった緊張を強いられる業務に携わる中、紙のタイムカードでの勤怠管理に限界を感じた白旗様。システムが故障寸前であることとあわせて代表取締役である中川社長に相談したところ、中川社長の旗振りで「FUN勤怠」の導入がトントン拍子に決まった。その後、「休日の残業時間を可視化できるか」など、中川社長とナテック担当者との入念な打ち合わせを経て、2024年9月より、全店舗で「FUN勤怠」の稼働が開始された。
用途に応じてPCを併用する手間や、ファイルの保管場所の問題が解消
「FUN勤怠」の導入から半年。導入後の打刻作業は、各々のスタッフの名前が貼られたICカードを「PitTouch Pro3」にかざすだけだ。それによってリアルタイムで記録された「出勤」「退勤」「休憩」「戻り」の時間を、白旗様が専用ソフトで管理する。専用ソフトも「タイムカード履歴」「勤怠確認・編集」といったボタンが並んだシンプルな画面のため、マニュアルなしでも扱いやすい。そのため、移行にあたっての不安は全くなかったという。
「旧システムを利用していたころは、紙のタイムカードを印刷するためのPCと勤怠管理用のPC、合わせて2台を併用していました。加えて、給与計算時には本店含め計3店舗分のファイルを1つずつ確認しなければならなかったのですが、『FUN勤怠』ではひとつの画面で全店舗の従業員の出退勤データを確認できます。そのため、PC間を往復する手間や紙のタイムカードを印刷するコスト、ファイルの保管場所をどうするかという課題がなくなりました。誰がどの程度休日に残業しているかも一目瞭然です」
本店以外の店舗に関しては、毎月締め日以降にUSBメモリで勤怠データを吸い上げ、本店の管理ソフトへ移行させている。以前は、締め日後朝一番にタイムカードを送ってもらおうとしても、ほかの店舗による送り忘れが発生し、給与計算作業や社労士への連絡が滞っていた。そうした問題も現在は解消されているという。
急に新人採用が決まった時の対応も格段に楽になった。「以前は、勤怠管理システムで新入社員の名前や従業員コードを登録した後、タイムカード印刷用の別のソフトに改めて名前とコードを入力しなければなりませんでした。2つのソフトを何度も往復する必要があったのです。ですから、『明日から入社します』と言われると、正直なところ『急だな…』と重苦しい気持ちになっていました。しかし、今はICカードに名前のシールを貼り、番号を読み込む機械に通すだけですので、パッと準備できます」と白旗様は語る。
また、退職者のカード番号を削除し、ほかのスタッフの番号を改めて登録し直せば、既存のICカードを現職者用に流用することも可能だ。従業員が増えたからといって、必ずしもカードを追加購入する必要はない。「紙のタイムカードを新しく印刷する手間やコストが大きく省けるのが、『FUN勤怠』の大きなメリットですね」
頻発していた打刻漏れやミスが改善
PCなどに造詣の深くないシニアスタッフも、ICカードタッチによる打刻作業にはあっという間に慣れたという。誤ってICカードを端末に触れさせてしまい「出勤」が「退勤」になってしまうこともあるが、リアルタイムで打刻した時間をチェックできるため、修正も簡単だ。
「以前は打刻にミスがあっても、スタッフは間違いを放置したまま。タイムカードの情報を吸い上げないと、ミスがあるかどうかも分かりませんでした。上がってきた出退勤データを私の方で一つ一つ確認し、『この時間ではおかしい』と感じたら私の判断や本人に確認するなどして、修正するという作業が発生していたのです」
特に入社して間もないパートやアルバイトのスタッフは打刻ミスを犯しやすい。そんな時でも、打刻後報告してもらえれば即座に対応できる。
さらに嬉しい効果もあった。紙のタイムカードで勤怠管理をしていたころは頻発していた打刻漏れが、全くと言っていいほどなくなったのだ。「FUN勤怠」では、ICカードで端末にタッチすれば液晶画面に直近5日間の打刻時間が表示される。そのため、スタッフそれぞれの意識が変わり、「打刻にミスがあればすぐ報告する」「『打刻できていないのでは』と感じたら2回タッチする」など、積極的に打刻漏れやミスを防止するようになったという。
「打刻漏れがあると給与計算が滞ってしまいますので、本当にありがたいです」と白旗様は笑う。「紙のタイムカードを使用していたころは、手書きで出退勤情報を記入するスタッフもいました。手書きの情報もすべて入力しなければいけませんでしたので、大変でしたね。そうしたいい加減さがなくなったのも、『FUN勤怠』の効果だと思います」
また、休日の残業時間の可視化は、スタッフの労働環境改善にもつながっている。
「『このスタッフは多めに残業しているな』と感じたら、負担を減らすようすぐ上層部に進言できるようになりました。今後は人材も多く採用していきたいですし、『FUN勤怠』を通じてスタッフの困り事にも気づいていけたらと思います」
停電時にも即座にサポート。満足度は100%
白旗様は、導入後のナテックのサポートにも満足しているという。
「現在本店の一部をリフォーム中なのですが、改装の影響で3回ほど停電することがありました。停電すれば、端末の機能も停止してしまいます。そこで、ナテックのSEの方に直接電話をかけたところ、停電しても作動するようにすぐ設定していただけました。遠隔操作でサポートしていただけるので、それも非常に助かっていますね」
事務・経理のほかにも、バーガーの調理やPOP作成などで多忙な白旗様。「『FUN勤怠』のおかげで、少しボーっとできる時間が増えました(笑)プレッシャーからも解放されましたね」と嬉しそうに微笑む。
「『FUN勤怠』に対する満足度は100%。現在、紙のタイムカードを利用しているすべての企業にお勧めしたいです」
「FUN勤怠」は、ペーパーレス化によるコストカットやミスの低減だけでなく、職場環境の改善にも貢献している。各企業の抱える課題を解決するため、ナテックは業務効率化を武器に今後も邁進していく。