
高セキュリティなICチップを搭載した非接触ICカード
FeliCaは、交通系カードや電子マネーなどの規格として日本国内で最も普及している規格です。
セキュリティが非常に高いこと、電子マネーカードとして利用が出来ること、NFCにも対応していることなどから利用範囲が拡大しています。
FeliCaには、大きく「FeliCa Standard」と「FeliCa Lite-S」の2種類があります。
-FeliCa Standard…セキュリティー性や拡張性が高い
-FeliCa Lite-S…セキュリティーや機能を最低限に抑えている
FeliCa Standard フェリカ スタンダード
DES暗号化方式だけではなくAES暗号方式を備えることによりハイセキュアな認証が実現され、ICへ書き込まれた情報を安全に守ります。
一枚のカードの中で多目的のデータを管理することができ、1つのエリアの中に階層を作ることも可能で、各エリアには個別の鍵を設定することができます。
当社ではシステムコード取得から1次フォーマット作成、2次発行までご支援することができますので是非ご相談ください。
【基本情報】
通信方式 | ISO/IEC 18092 (212 kbps / 424 kbps Passive communication mode)に準拠 |
動作周波数 | 13.56 MHz |
通信速度 | 212 kbps、424 kbps ※1 |
搭載暗号方式 | AES暗号方式あるいはDES暗号方式 |
搭載コマンド | AES暗号化対象コマンド、DES暗号化対象コマンド、非暗号コマンド |
メモリータイプ | 6 KB EEPROM |
ユーザーメモリー | 249 ブロック(1 ブロックは16 バイト) |
※ :基材に生産過程で排出するCO2が少なく、枯渇性資源(石油)を抑制できる"リサイクルPVC"を選択する事も可能です。
【ユースケース】
異なるアプリケーションを一枚のカードで処理可能。
*NFCハンドオーバー
┗Bluetooth®、Wi-Fi® 等
*ID
┗社員証、学生証、電子マネー、入退管理 等
*交通乗車券
┗シングルジャーニーチケット、回数券、一日乗車券 等
FeliCa Lite-S(RC-S966) フェリカ ライトエス
勤怠管理や入退場用カードとして幅広く利用されています。
FeliCaと同様のインフラを利用できる一方で、FeliCaとは異なる認証機能とファイルシステムを採用することで、低コスト化を実現しています。
MACと呼ばれる「メッセージ認証コード」の読み出し・書き込みによるアクセス制御が可能で、情報の改ざんを検知することができます。
また、アンテナの小型化により、カード形状以外の様々な製品化が可能です。
カード形状だけではなく、ラベル、小型サイズタグ、リストバンド、キーホルダーなど様々な形状でご提供が可能です。
【基本情報】
通信方式 | ISO/IEC 18092 (212 kbps / 424 kbps Passive communication mode)に準拠 |
動作周波数/変調方式/ビットコーディング | 13.56 MHz / ASK変調 / マンチェスター符号化方式 |
通信速度 | 212 kbps、424 kbps ※1 |
ユーザーメモリー | 14 ブロック(1 ブロックは16 バイト) |
システム分割機能 | 無し |
リーダー/ライターとの認証方式 | トリプルDESによる相互認証(FeliCa Standardとは別方式) |
※ :基材に生産過程で排出するCO2が少なく、枯渇性資源(石油)を抑制できる"リサイクルPVC"を選択する事も可能です。
【ユースケース】
*NFCハンドオーバー
┗Bluetooth®、Wi-Fi® 等
*ID
┗社員証、学生証、ポイントカード、ゲームカード、診察券 等
*交通乗車券
┗シングルジャーニーチケット、回数券、一日乗車券 等
*チケット
┗コンサート、アミューズメントパーク、ゲームカード 等
NFCについて
一般的に | 既存の複数の非接触ICカードの通信規格を包含する他、携帯電話やウエアラブルデバイスなどに搭載されることを前提にして機器間のデータ交換などの用途を想定して規定された技術 |
狭義として | 基礎となる国際標準規格ISO/IEC 18092(NFCIP-1)とISO/IEC 21481(NFCIP-2) |
広義として | NFCIP-1に加え、互換性を確保するため業界標準団体NFCフォーラムが実装規格として規定するNFCフォーラム仕様も含むもの |
NFCは、Near Field Communicationの略称で、13.56 MHzの周波数を利用する通信距離10cm程度の近距離無線通信技術です。非接触ICカードの通信および機器間相互通信が可能で、機器を近づけることで通信を行うため、「かざす」動作をきっかけにした、わかりやすい通信手段として注目を集めています。
FeliCa フェリカの特徴
【IDmについて】
FeliCa(フェリカ)のIDmとは製造工程でICチップに記録される8バイト(16桁)の固有の製造番号です。ICカードのオープンエリアに書き込まれており、IDカードの入退室管理システムや勤怠管理システムなどでは、このIDmを認証キーとして利用されるケースもあります。
※ IDmだけを使った認証は、エミュレータなどによる「なりすまし」のリスクがあるため、セキュリティーが要求される業務(入退室管理など)では、「鍵有り認証」を利用していくことを推奨しています。
【システムコードについて】
システムコードは、システムを特定するための 2 バイトの値で、事業者および使用目的ごとに割り当てられます。リーダ/ライタは、Polling コマンドのパラメータにシステムコードを指定し、システムコードが一致するカードが Polling レスポンスを返送します。
システムコードのうち、以下の値は、複数の事業者で共通に利用されています。
- 12FCh ― NFC Forum が規定する NFC Data Exchange Format (NDEF)が格納されたシステム
- 4000h ― Host-based Card Emulation for NFC-F (HCE-F) 機能*1
- 88B4h ― FeliCa Lite-S
- 957Ah ― FeliCa セキュア ID
- AA00h~AAFEh ― JIS X 6319-4:2016 改正版
- FE00h ― フェリカネットワークス株式会社が管理する共通領域とよばれるシステム
- FEE1h ― FeliCa Plug
【EEPROMとFRAM】
ICの不揮発性メモリとしては、EEPROMとFRAMがあります。原理は前者が電荷注入、後者は分極によるデータ書き込みとなっており、書き込み時のパフォーマンスが大きく変わってきます
【電子マネー決済】
FeliCaは、楽天グループ「楽天Edy」、(株)セブン・カードサービス「nanaco」、イオン(株)「WAON」などのプリペイド型電子マネーや(株)ジェーシービー等が推進する「QUICPay」、(株)NTTドコモ「iD」などのポストペイド型電子マネーに採用されています。それぞれの電子マネーは「おサイフケータイ」にも対応しています。
※ 楽天edyは楽天グループのプリペイド型電子マネーです。
【FeliCa共通フォーマット】
学生証/教職員証/社員証を対象に独自にフォーマットの設計をしなくても1枚のカードで複数のアプリケーションを使うことができます。
段階的なシステム導入に備えることができ、FeliCaの共通領域を利用したIDカードのための共通利用フォーマット「FCF」が、日本の347の大学等教育機関、110の企業・自治体に導入されています。2004年に発足したFCF推進フォーラムには159社が加入し、各社から多彩なサービスが提供されています。FeliCaのセキュリティーを活かしたFCF独自の個別ID(FCF-UN)や自治体向けフォーマットの提供も始まり、さらに多くのシステムで利用が可能です。
【FCFについて】
FCF推進フォーラムが推奨する個人認証カード(IDカード)用フォーマットです。カード利用者(社員・学生など)の名前やID番号など、基本的な個人情報のファイルフォーマットをFCF会員企業内で共有し、お客様の同意に基づいて読み取れる仕組みにしています。従ってお客様が運用されているID番号をそのままFCF対応のシステムで活用することが可能です。さらに、カード製造時に「空き地」となるエリアを設定しておくことで、新たなアプリケーション追加も行いやすくしています。(空きエリアの設定はオプションです)
※FCF:Felicitous Common use Format
【FCFキャンパスカードについて】
学生証・教職員証など教育機関での個人認証IDカードとするための仕様で、企業向けを主とした一般のFCFフォーマットに加え以下の特長を持っています。
「身分識別コード」を持つ:IDカードとして学生・教職員・卒業生などであることを識別できる
「学校識別コード」を持つ:何処の教育機関の学生・教職員であるかが識別できる
これにより、教育機関での相互の利用(単位交換、施設共有など)を行えるプラットホームを提供します。また、IDカードを利用した認証機能、出欠席管理、施設管理など、さまざまなサービスを段階的に導入することが可能となります。
【SSFCについて】
SSFCとは、Shared Security Formats Cooperationの略で、ICカードを使った高度な企業内セキュリティシステムの実現を目的に、2005年2月に設立された企業アライアンスです。 参加企業は、社員証や学生証として利用されるICカードのデータフォーマットを共有し(SSFCフォーマット)、SSFCが定めた共通仕様(SSFC仕様)に基づいて、ICカードを利用したシステムを提供しています。 1枚のICカードで、オフィスビルの入退室から室内機器の利用まで一貫して管理します。入室記録のないICカードではプリンタやPCなどのオフィス機器を使用できないため、不法入室者による機器利用、機密情報の持ち出しを防ぐことができます。